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カナダ国会は1月27日に予算案が上程されるが、新民主党とケベック連合は反対票を投じ、あくまでも野党連合による連立政権樹立を目指すと公言している。少数与党の保守党は当然賛成票を投じるが、過半数に満たないことから、予算案の可否はまさに自由党にかかっている。 予算案否決は内閣不信任とみなされるため、内閣総辞職か解散・総選挙のいずれかを惹き起こすことになる。だが自由党のイグナティエフ党首は、21日の記者会見でこう語った。 「2月の総選挙は、国民にとって好ましい選択ではない。我々は不況に陥っており、国民はみな総選挙は高くつくと承知している」 連立による政権奪取を繰り返すレイトン党首とは対照的に、イグナティエフ党首は相変わらず連立政権については言及しなかった。この発言はどうやら予算案賛成=内閣信任を示唆したものとみられる。 今後の焦点は野党連合による倒閣ではなく、予算案をめぐる条件闘争になりそうだ。イグナティエフ党首は予算案に賛成する見返りに、自党の要求を政府に飲ませることを狙うだろう。ハーパー政権がこれに応じた場合は予算成立となるが、総選挙も連立政権も自由党は好まないと足元を見て、要求に応じない場合は、まさかの連立政権もあるかもしれない。そういう切り札をちらつかせるのがイグナティエフ党首のやり方だ。彼は連立には冷淡に振舞うくせに、「一つの可能性」などと言って決してその選択肢を排除はしない。 自由党の大勢は、連立政権樹立よりむしろハーパー政権を延命させようと図っているように見える。イグナティエフ党首はまだ就任したばかりで、その政策が国民に十分浸透したとはいえない。経済危機の最中に政権を奪取するのは、火中の栗を拾いに行くようなものであり、保守党政権の予算を否決するなら、自ら予算を作成する必要に迫られるだろう。 連立協議はもともと、人気がなく単独で政権を獲れそうにないディオン前党首が推進したものだが、自由党は党首がイグナティエフに替わってから支持率が上昇した。あわてて連立で政権奪回せずとも、単独政権を志向した方が良さそうだ。 スティーブン・ハーパーはかつて保守合同を成し遂げた。カナダ同盟は西部を拠点としていたが、中部・東部では人気がなかった。いっぽう進歩保守党は、かつての西部の地盤を失い中部・東部を地盤としていた。両党の合併は、互いの弱点を補完し合うものだったのである。また新党カナダ同盟には地方の組織がなく、州政治では進歩保守党と競合しなかったため、合併について地方からの苦情に耳を傾ける必要はなかった。 しかし自由党と新民主党は、連邦政治においても州政治においても長年競合関係にあり、しかも小選挙区制では選挙協力が難しい。両党の連立政権は、難しい問題を抱えることになるだろう。 |