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<独占建築業者とマフィアのつながり> 今回のイタリア中部地震によって耐震建築の甘さが浮かび上がり、毎日のように討論が行われている建築業界の不正工事・手抜き工事の問題ですが、ここで、イタリア全土の公共事業を請け負う民間企業の名が、はっきり浮かび上がって来ています。 2000年に完成したばかりのラクイラのサン・サルバトーレ病院を建築したのは建築業界においての独占企業とも言える『IMPREGILO』ですが、このIMPREGILOグループが、いかにイタリア全土を網羅し、政治と結びついているか?は、以下にあげる公共事業・公共の建築物の一覧をご覧頂けると一目瞭然かと思います。 1:ナポリのゴミ清掃事業 2:サレルノ〜レッジョ・カラブリア間などに代表される高速道路・架橋建築 3:北イタリアの巨大ごみ焼却場 4:主に中部〜南イタリア教育施設 そして、今回倒壊したラクイラ病院の他でこの企業が手がけた全国の主な病院を例としてあげてみます。 レッコ:病院 137.000 m²;, 500.000 m³;, 950 病床, 21 手術室 ミラノ癌研病院I 29.000 m²;, 90.000 m³;, 210 病床, 7 手術室 モデナ病院 230.000 m²;, 445.000 m³;, 800 病床, 12手術室 カレッジ病院O HIV感染症専門病棟 ポッジョボンシ病院 12.000 m²;, 175.000 m³;, 200 病床 ヴェルシーラ病院 : 80.000 m²;, 600 病床 デストラセッキア病院 28.000 m²;, 450 病床 <メッシーナ海峡のつり橋> 以上がこの企業『IMPREGILO』が現在までに手がけたものですが、この他に、現在問題になっている上記とは比べ物にならない程大規模な公共事業が、2つともこの企業に落札されるであろうと言われています。 さて、その大規模な公共事業とは何なのか?ですが・・。 一つ目は、イタリア本土とシチリア島を結ぶ、メッシーナ海峡に架かる予定の『メッシーナ海峡の吊り橋』です。 これは、2000年にベルルスコーニ氏が政権を取った時から建設に向け計画が進められて来たのですが、06年10月、プローディ政権の折、建設には莫大な予算が掛かり、また、耐震の問題から多くの学者が疑問を投げかけ、更に周辺住民達の大反対があり、必要性の是非が問われ続けていた事から『メッシーナ海峡大橋』の建築計画は、大論争の末、中止される事になりました。 が、ベルルスコーニ首相が再度政権を取った08年から再び、この建設計画が浮上し始め、強引に着工に向け、国家予算の枠組みを組まれました。 また、実は、このつり橋の建設に当たっては、場所柄、マフィアとの癒着や関与が避けられないとして最初から黒い噂がついてまわっていました。 世界的な経済不況で失業者や自宅待機者が増える一方であり、医療費削減・教育費削減は深刻な問題化し始めている現在、検討に検討を重ねた上、一端中止とされたメッシーナの橋を、大幅な国家予算を使ってまで、建設する必要性があるのか? 今回の地震直後も、その予算を使い全国の建物の耐震補強をすべきだと多くの関係者から声が上がっているのですが、現政権の意向は変わらないようであくまで「橋の建設は続行。地震は別物」という強硬な態度を崩していません。こうした状況の中、これほど強引に建築計画を進めるのは、ベルルスコーニ首相がマフィアに闇のマージンを払う必要があるからではないか?と囁かれています。 そしてもう一つの大規模な国家的事業である北イタリアのTAV原子力発電所建設も、受注予定企業の筆頭は『IMPREGILO』となっているようです。 2000年の完成で『耐震建築』と保証をつけながら倒壊したラクイラの病院を建設した企業に、今後もこのまま何の処罰もなく公共事業を負わせるのか?是非・・・今後の行方に注目して行きたいと思っています。 <震災に群がる本当のハイエナは誰なのか?> もう一つ、復興事業に絡む建築業界の様子を追記します。 2002年に倒壊し幼い子供達と教師あわせて29名が死亡したプーリア地震の後このサン・ジュリーアーノ(住民1200名程度の街)の郊外に住民の数を遥かに上回る大きなニュータウン計画が立てられました。 が、7年近く経った今も、未だに未完成(建物の外観だけ出来ている)で殆どの住民が未だに仮の住まいに暮らしています。 が、倒壊した問題の小学校だけは開校し、現政権の教育大臣を招いて開校式も華やかに行なわれたのですが 「小学校と幼稚園を合わせても、50名程度なのに、なぜ、最新設備がついたこれほど巨大で立派な建物必要なのか?」 と、住民達に言わせるほど必要外に大きなまるで大学のような外観と広さを持つものです。 この小さな街のルイジ・バルビエリ町長は、ご自身もこの地震で子供を亡くされた遺族のお一人ですが、RAI3のインタビューに答えて 「ご覧下さい。未だに住民の殆どは仮の宿住まいです。ニュータウン・ニュータウンと言って巨大なアパート群を建設を開始した場所は、あれから7年経っても未だに外観が出来ているだけ・・しかも、これらは住民の数を遥かに上回っているんです。学校をご覧になりなしたか?そうした予算があるのなら本当の意味で住民の為に使ってもらいたい」 ルイジ・バルビエリ町長の言葉の端端から、自分達の利益を追うことに他人の不幸を平気で利用する政治家や企業に対する怒りと憤りが感じられました。 今回のラクイラ地震後、すでに次から次へと復興に際し、イタリア各地の州や市から援助の話が出ていますが、その後ろにそれぞれが後押しする企業の名前が見え隠れしています。 今回の地震の後、立ち入り禁止地区に入り、空き巣泥棒を働こうとしたルーマニア人たちのグループがいくつか検挙されました。 『ハイエナ・・』というタイトルでそうした行いを責めたてるメディアですが、その影に隠れてもっともっと巨大な『ハイエナ』達がうごめき始めているように思います。 私には、地震災害が起こるたび、こうした『ハイエナ』達の凱歌が聞こえてくるような気がします。 <コーザ・ノストラとは・・?> 1992年、イタリアのシチリア島において、ジョバンニ・ファルコーネ判事が マフィアによって暗殺されています。同判事は、バオロ・ボルセリーノ判事とともに、 1987年、合計338人のイタリア・マフィアに有罪判決を下した 「パレルモ大裁判」の立て役者でした。 しかし、1992年5月23日、シチリア島のパレルモ空港近くの高速道路に 仕掛けられた500キロものTNT爆弾が炸裂し、これが3台の車を直撃。 ファルコーネ判事は妻とボディガード3人とともに殺害され、その57日後、 今度はパレルモ市街で車に仕掛けられていた爆弾により、5人のボディガード、 1人の通行人女性とともに、ボルセリーノ判事も惨殺されています。 これらの暗殺を裏で操ったと言われるベルナルド・プロベンザーノ(ゴット・ ファーザー)が、06年、4月11日未明、自宅で逮捕されました。 マフィアと聞くと単純にシチリアを思い浮かべる方も多いかと思います。確かに、かの土地にはそういう組織が存在する。(らしい・・) というのは、イタリアのマフィアは、日本のように解りやすく看板をあげ事務所を持ってはいませんし、何よりも、日本のやくざのように「私はこれこれこういう者です。危険!要注意の信号を発する典型的パンチパーマも、独特の色彩感覚 の背広やネクタイもしめてはくれないので、外見からは、殆ど見分けが出来ず、非常にわかりずらいのです。 むしろ目立たないように、ひっそりと、表向きは肉屋さんだったり、 廃品回収業者だったり、建築業だったり、時には医者や弁護士だったりを表の顔として一般の人々の生活の奥深くで生息しています。 良く聞く話ですが、このように誰が裏の人間かがわからないため、住民は人の目を極端に恐れ、路上に止めてあったバイクが盗まれたとします。日中のことで何人もの人がそれを見ていたはずなのに、そんな光景を目にした途端、人々は窓を閉めたり横道にそれたりして、何も見なかったことにするのだといいます。その後、例え警察の事情徴収があったところで、絶対に口外しない。 どこから報復が襲い掛かるか・・わからないからです。そのために、マフィアの捜索は困難を極め、その中でも、特にボスといわれる人の検挙は、絶望的だと言われています。 ・・ベルナルド・プロベンザーノ・・ ボスの中のボスといわれ、43年もの間『コーザ・ノストラ』組織の頂点に君臨してきた男。 この検挙には・・何人もの関係者が涙ぐんでいました。イタリア大統領からの祝辞を受けた当局と、当時の内務大臣ピサーノ氏の記者会見も喜びを押えきれないのが画面から伝わっていました。 何よりも、検挙される途中、彼の逮捕を知った多くの住民が警察署の 前につめかけて『バスタルド・・バスタルド・・(私生児:イタリア人が使う最大級の侮辱の言葉)』と、今までの長い長い鬱憤と恨みを晴らすかのように大声で叫んでいたのが印象的でした。 もう一つ、このボスの裏には興味深い話があります。 ジョバンニ・ファルコーネ判事とボルセリーノ判事が、殺されたのは、このボスと現首相ベルルスコーニ氏のつながりを立証しようとしていた為ではないのか? と言われ、それを独自で探っていた、新聞記者も消されています。 検挙後の記者会見で、警視総監は 「ベルナルド・プロベンザーノ(コーザ・ノストラ)と政治家や企業家とのつながりを追求する予定」であると述べていました。 が・・・シチリアのマフィア・カラブリアのランドランゲ・ナポリのカモッラの裏にいるのは、現政権の重要人物達だと言われ、その後も捜査はなかなか進んでいないようです。 注:COSA NOSTRA(コーザ ノストラ)とは・・イタリア語の直訳では、私事。私達のことの意味。シチリアマフィアの独特の隠語。 参考資料:ウィキペディア(Wikipedia)より メッシーナ海峡大橋:イタリア本土とシチリア島を結ぶ、メッシーナ海峡に架かる予定の吊り橋。完成すれば世界最長の吊り橋になる。複線の鉄道とその両脇に片側2車線の道路が設けられ、鉄道・道路併用橋としても世界最長になる予定(現在の最長橋は、瀬戸大橋完成すれば主塔間の距離(スパン) が3,300mで、明石海峡大橋(1,991m)を抜きまた主塔の高さも382.6mと、ミヨー橋(343m)を抜き世界一となる予定。日本からは石川島播磨重工業が参加する予定があった(ただし受注額は総額約5,300億円のうち190億から330億円程度)。 |